ヘルスケアライディング協会・研究会の設立
- 「乗馬と医療の融合」をテーマに、どのような乗馬スタイルが健康増進に役立つのか研究・発信を行う、ヘルスケアライディング協会ならびに研究会を2023年に設立しました。
ハーモニーワールドを中心に、大阪大学医学部をはじめ大学病院や国立循環器病センターなどの様々な専門病院、JRA、オリンピック選手、障害者乗乗馬協会など、医療と乗馬のスペシャリストが集結した、世界最先端の試みです。
ヘルスケアライディング協会
「人と馬(動物)と自然、社会との共存」を目指し、エビデンスに基づいた安心・安全かつ経済や社会に貢献できる、共存共栄モデルの構築と普及拡大のために設立された組織です。
活動方針
後述の「ヘルスケアライディング研究会」等が構築した医学的見地に基づくエビデンスをもとに、ヘルスケアライディングの運動プログラムや指導プログラム、認定制度、資格制度などを適正に普及拡大できる活動システムの構築・推進を目指します。
また活動にあたっては、「北大阪健康医療都市(健都)」の主要プロジェクトの一つである「健都未来カンファランス」との連携を行います。
ヘルスケアライディング研究会
人馬と医療関連産業および周辺産業が、社会に対し、ヘルスケア及びQOL向上に向けてどのような貢献ができるのか、医学的な知見からエビデンスの構築を行い、日本のみならず、世界の人と馬(動物)と自然の共生社会に貢献することを目的とする研究会です。
- 乗馬および馬や医療との関連産業全般(医療・介護・飲食・観光・娯楽・美容・ファッション等)に関し、ヘルスケアおよび経済性、社会貢献に対するエビデンスの構築
- 乗馬のタイプ別エビデンス(年齢、性別、体重、基礎疾患、経験、生活環境など)の分析
- エビデンスに基づいた人馬に関連したヘルスケアプログラムの創造
- 他スポーツとのコラボ並びにヘルスケアスポーツシステム構築への貢献
活動方針
「人と馬と自然の健康維持・増進と共生社会の創造」
- 馬業界と医療業界を融合させたヘルスケアビジネスの発展と普及
- エビデンスの創出とエビデンスに基づいた運用ルールの整備
- 新ビジネスに向けた具体的施策の企画・推進
- 一般社会への新ビジネス理念の浸透、さらなる良好イメージの創出・浸透
ヘルスケアライディング研究会によるエビデンス構築の具体例
ヘルスケアライディング研究会に参加している、医療関連組織(大阪大学・国立循環器病研究センター・ニューロンネットワーク)と乗馬運営組織(ハーモニーワールド・明石乗馬協会・その他)が連携し、以下の内容を推進しています。
- ヘルスケアライディングの健康への寄与の研究(大阪大学・国立循環器病研究センター)
- 心疾患患者に対する馬介在療法を通した心臓リハビリテーションの効果(国立循環器病研究センター)
- 乗馬での健康管理に向けた患者リクルート、PHR・RWD管理(ニューロン薬局)
- 実馬データでのエビデンス測定、多様なホースセラピーの創出(乗馬クラブ等)
不登校児を対象としたホースセラピー
- 兵庫県淡路市の乗馬クラブ「ハーモニーワールド」では、市の教育委員会や各学校の協力のもと、不登校児のメンタルケアを目的とした乗馬プログラム「ホーススキップコース」を実施しています。
乗馬や馬の観察、飼養管理などを通じたリハビリテーション(ホースセラピー)が、不登校や発達障害の児童の心身面に良い効果を与えたという事例はこれまでも見られましたが、これをシステマティックに実践・検証している例はありませんでした。
ホーススキップコースでは、児童に応じた特別なプログラムを設定します。馬の世話や触れ合い、騎乗などを通じて、児童たちが「意思の伝達」「相手の理解を察する」など日常生活の相互理解力を高めると共に、人・馬・自然の共生を学び、楽しさや慈しみの心を育てるのが目的です。
本プログラムはヘルスケアライディング研究会の活動の一環でもあり、今後の動向に注目されています。